【年少クラス】「自分でやりたい!」が強くなる時期

うまくいかずに怒ったり泣いたりするのはなぜ?

 1.3歳さんは「自分でやりたい気持ち」がぐっと育つ時期です 

3歳頃になると、お子さまの中に「自分でやりたい」という気持ちがぐっと育ってきます。 
着替えを自分でしたい、靴を自分で履きたい、ボタンを留めたい、かばんを持ちたい。 
大人が手伝おうとすると、「じぶんで!」と強く言うこともあります。 
こうした姿が増えてくると、保護者の方は「急に大変になった」「前より言うことを聞かなくなった」と感じることがあるかもしれません。 
でもこれは、困らせようとしているのではなく、「自分でやってみたい」という気持ちが育ってきた証でもあります。 
3歳さんは、少しずつ自分という存在をはっきり感じ始める時期。 
「自分でできた」「自分で決めた」という経験がうれしくなり、自信にもつながっていきます。 
ですから、「自分でやりたい」が強くなるのは、成長の中でとても自然なことです。 


2.やりたい気持ちは大きいけれど、まだうまくできないことも多いです 

ただ、この時期の難しさは、「やりたい気持ち」は大きく育っているのに、実際の力はまだ途中だということです。 
例えば、靴を履こうとしても左右がわからなかったり、服を着ようとしても袖がうまく通らなかったり、思ったようにできずに時間がかかったりします。 
本人は一生懸命なのに、うまくいかない。そのもどかしさは、大人が思う以上に大きいものです。 
さらに3歳さんは、「こうしたい」というイメージを持てるようになってきている分、思い通りにいかないことへの悔しさも強くなります。 
できないことそのものよりも、「やりたかったのにうまくいかない」「手伝われたくなかったのに先にやられた」という気持ちが、怒りや涙につながることも少なくありません。 
つまり、「自分でやりたいのに、まだ十分にはできない」という心と体のアンバランスさが、この時期の揺れやすさの背景にあります。 


3.怒ったり泣いたりするのは、気持ちの整理がまだ難しいからです 

3歳さんは、言葉が増えてくる時期ではありますが、自分の気持ちを落ち着いて整理したり、うまく言葉にしたりすることは、まだ簡単ではありません。 
そのため、「悔しい」「手伝ってほしくなかった」「うまくできなくて悲しい」「急かされて嫌だった」といった複雑な気持ちを、そのまま言葉で伝えるのではなく、怒る、泣く、物を投げる、動かなくなるといった形で表すことがあります。 
大人から見ると、ほんの小さなことで急に怒ったように見えることもあるかもしれません。 
でもお子さまの中では、「やりたかった」「わかってほしかった」「うまくいかなくてつらかった」という気持ちがいっぱいになっていることがあります。 
特に朝の支度や帰宅後など、時間に追われやすい場面や疲れが出やすい時間帯には、気持ちが崩れやすくなります。 
そうしたときは、「わがまま」や「反抗」とだけ受けとめるのではなく、「今、気持ちがうまくまとまらなくなっているのだな」と見てみることが大切です。 


4.大人が少し関わり方を変えると、ぶつかりにくくなることがあります 


「自分で!」が強くなる時期は、大人の関わり方を少し変えるだけでも、お子さまの落ち着きやすさが変わってくることがあります。 
例えば、全部を大人が進めるのではなく、「ここは自分でやる」「ここは手伝ってもらう」と分けて考えると、うまくいきやすくなります。 
靴は自分で履く、最後だけ整えてもらう。服は自分で選ぶ、着るのは少し手伝ってもらう。 
そんな風に、“全部か、全部手伝うか”ではなく、できる部分を残してあげることが助けになります。 
また、うまくいかないときにすぐ正すより、「やってみたかったんだね」「自分でしようと思ったんだね」と気持ちを言葉にしてあげると、お子さまは少し落ち着きやすくなります。 
できたかどうかだけでなく、「やろうとした気持ち」を見てもらえることが安心につながるからです。 
時間に余裕がないと難しいこともありますが、毎回完璧に対応しようとしなくて大丈夫です。 
少しだけ待つ、ひとこと気持ちを受け止める、それだけでも十分意味があります。 


5.「自分でやりたい」は、これからの力の土台になります 


3歳さんの「自分でやりたい」は、ときに大変で、保護者の方を困らせることもあります。 
急いでいる朝に限って時間がかかったり、手伝うと怒ったり、見守っていてもうまくいかずに泣いたり。 
毎日の中では、ついこちらも疲れてしまうことがあります。 
それでも、この「自分でやりたい」という気持ちは、これからの育ちにとても大切な力です。 
自分でやってみようとすること、自分なりに工夫しようとすること、失敗してもまた挑戦すること。 
そうした経験が、少しずつ自信や意欲につながっていきます。 
今はまだ、気持ちばかりが先に大きくなり、うまくできないこともたくさんある時期です。 
だからこそ、怒ったり泣いたりする姿も、成長の途中にある自然な揺れのひとつと見ることができます。 
「大変な時期」ではありますが、それは同時に、「育ってきたものが見えてきた時期」でもあります。 
焦って整えようとしすぎず、お子さまの「やってみたい気持ち」を少しずつ支えながら、その子らしいペースを大切にしていけたらと思います。 
 

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